コラム
年度途中の勤務時間変更と子の看護休暇について
2022.04.14
●先日、フルタイムから時短勤務に所定労働時間を変更する従業員のご相談がありました。二人の幼いお子さんがいるそうで、時々「子の看護休暇」を取っていたそうです。
子の看護休暇は、法改正により2021年1月から、時間単位で取得することができるようになりました。利用しやすくなったおかげで、一定のニーズはあるのではないでしょうか。
この会社では、年次有給休暇は1日単位での取得としているため、時間単位になると残りの時間管理が複雑になるということ。
そこから派生して、「年度の途中で労働時間の変更があった場合は、子の看護休暇の残りの時間はどうなるのか?」という質問を受けました。
●まず原則的な考え方ですが、時間単位で取得する子の看護休暇1日分の時間数は、1日の所定労働時間数として取り扱います。
1時間に満たない端数がある場合は、端数を切り上げます。
例えば、1日の所定労働時間数が7時間30分の場合、8時間分の休暇で1日分となります。
ちなみに、日によって所定労働時間数が異なる場合の1日の所定労働時間数の定め方は、1年間における1日の平均所定労働時間数とします。
では、1年度の途中で所定労働時間数の変更があった場合、子の看護休暇の残りを時間単位で保有している部分についてはどのように取り扱うのでしょうか?
これは、所定労働時間の変更に比例して、時間数を変更することになります。
例えば、子の看護休暇が「4日と3時間」残っている場合で、1日の所定労働時間が8時間から「5時間」に変更する場合は、次のように考えます。
(時間で残っている)3時間 × 5/8 = 1.875時間
1時間未満の端数は切上げるため、2時間となります。よって、所定労働時間の変更後は、「4日と2時間」となります。
なお、この4日分については、勤務時間変更後の5時間で1日分として取り扱うことになります。
労務管理においては、こうした細かい(けれど大事な)実務が発生する場面は少なくありません。
従業員にとって、休暇の取扱いは気になるところですので、しっかりと対応していきましょう。
人事労務コンサルタント/社会保険労務士
佐佐木 由美子
※ この投稿内容は、発行日時点において明らかとなっている法律内容に基づき記載しています