コラム

育児休業中の社会保険料と賞与支払届

2023.07.28

●育児休業中に社会保険料の免除を受けている従業員については、健康保険・厚生年金保険における「賞与支払届」を提出する必要があるのでしょうか。

まず、育休中の社会保険料については、連続した1か月超の育児休業を取得し、月末時点で育休を取得している場合に社会保険料が免除となります。

例えば、7月10日~8月20日まで育児休業をしているとしましょう。
7月25日に賞与が支給された場合は、社会保険料が免除されます。一方、8月5日に賞与が支給される場合、月末を含んでいないため免除となりません。

※こちらもご参照ください。

【育休中の賞与、社会保険の改正で気をつけたいこと】

育児休業等による保険料免除期間に支払われた賞与がある場合、「賞与支払届」を提出する必要があります。

その理由は、2つあります。

1.健康保険の年度の累計額に含めるため

標準賞与額(賞与支給額1,000円未満を切り捨てた額)にかかる保険料の上限は、健康保険では年度の累計額が573万円(年度は毎年4月1日から翌年3月31日まで)となっています。

育休中に支払った賞与も年度の累計額に含める必要があるため、標準賞与額を届け出る必要があるのです。

2.年金額に反映されるため

育児休業中に支給された賞与については、保険料が免除される場合であっても、保険料を納めた期間として扱われ年金額に反映されます。

賞与支払届を提出することで、社会保険料が徴収されてしまうと思ってしまう方もいるようですが、これは誤解です。

育児休業等取得申出書を正しく提出していれば、保険料の免除対象となる期間は把握されています。

必要な届出はきちんと行うようにしましょう。

人事労務コンサルタント/社会保険労務士
佐佐木 由美子

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