コラム

2023年4月から男性育休取得者の公表義務化について

2023.01.13

●2023年4月1日から、男性労働者の育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務付けられます。ここには、当然ながら「産後パパ育休」の取得も含まれます。

対象となるのは、「常時労働者数が1000人を超える企業」です。

「常時雇用する労働者」とは雇用契約の形態を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている労働者を指します。

 

具体的には、

・期間の定めなく雇用されている者

・期間を定めて雇用されている者であっても、過去1年以上引き続き雇用されている者または雇入れのときから1年以上引き続き雇用されると見込まれる者

を指し、上記に該当すれば、アルバイトや契約社員等も対象となります。

 

それでは、いったいどのようなことを公表すればよいのでしょうか。

公表を行う日の属する事業年度の直前の事業年度(公表前事業年度)における次の(1)または(2)のいずれかの割合について、公表する必要があります。

 

(1)育児休業等の取得割合

 

育児休業等をした男性労働者の数 ÷ 配偶者が出産した男性労働者の数

 

(2)育児休業等と育児目的休暇の取得割合

 

(育児休業等をした男性労働者の数+小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者の数の合計数)÷ 配偶者が出産した男性労働者の数

 

【ポイント】

 

※育児を目的とした休暇とは、就業規則等で「育児を目的とするもの」であることが明かに規定されている休暇制度であって、育児休業や子の看護休暇など法定の制度は除きます。

 

※「産後パパ育休」とそれ以外の育児休業等を分けて割合を計算する必要はありません。

 

※育児休業を2回分割して取得した場合や育児目的休暇と育休を両方取得した場合などについては、それらが同一の子について取得したものであるときは1人としてカウントします。

 

●公表方法は、インターネットなどの一般の方が閲覧できる方法で公表する必要があります。

厚生労働省の「両立支援のひろば」も活用できます。育児・介護休業法に基づき育児休業取得率等のみを公表する場合においても、利用することができます。

 

公表を行うタイミングですが、公表を行う日の属する事業年度の直前の事業年度(公表前事業年度)の状況について、公表前事業年度終了後、おおむね3か月以内に公表する必要があります。

公表義務の対象企業は常時労働者数1000人超の大企業となりますが、中小企業においても積極的に公表することで、男性育休にポジティブなイメージを印象づけることができます。

ぜひ前向きにご検討されてみてはいかがでしょうか。

 

人事労務コンサルタント/社会保険労務士

佐佐木 由美子

 

※ この投稿内容は、発行日時点において明らかとなっている法律内容に基づき記載しています