コラム

改正育児・介護休業法に関するQ&A、ポイント解説

2021.12.10

●こんにちは、グレース・パートナーズの佐佐木由美子です。

2022年は改正育児・介護休業法が施行されますが、それに先駆けて厚労省からQ&A集(11月30日時点)が出ました。

ご質問を受けることの多い箇所について、ポイントを絞ってご紹介したいと思います。

 

ちなみに、「パパ休暇」と「産後パパ育休」の違いがよくわからない、というご質問も受けます。こちらに詳しく書いていますので、ぜひご参考にしてください。

 

「産後パパ育休」と「パパ休暇」の違いとは?

https://www.workstyle-blog.jp/20211129/papa-040/

 

●今回はQ&A方式でご紹介します。厚労省のQ&A集に準じて、内容は適宜アレンジしています。

 

Q1 :子どもが生まれるすべての従業員に、個別の周知・意向の確認措置を実施する必要がありますか?

 

A1:本人または配偶者が「妊娠または出産したという申出があった場合」に、個別の周知・意向の確認を行う必要があります。

改正は2022年4月1日からとなり、4月1日以降に妊娠・出産等の申出があった従業員が対象です。いつ申出があっても対応できるように準備しておきましょう。

 

★個別の周知・意向の確認の措置は、以下のいずれかから行う必要があります。

1)面談、2)書面交付(郵送も可能)、3)FAX、4)電子メール等

※3と4は労働者が希望した場合のみ

 

また面談には、ビデオ通話を用いたオンライン面談も可能です。ただし、音声のみの通話は面談に含まれませんのでご注意ください。

 

Q2:育児休業を取得しやすい雇用環境整備に、以下のいずれかの措置を実施することが義務付けられていますが、「相談窓口を設置」する場合、すでに育児休業に関する相談窓口がある場合は、新たに整備をしなくても措置を講じたものとすることはできますか?

 

【雇用環境整備措置】

  1. 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
  2. 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)
  3. 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
  4. 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

 

A2:以下の内容を満たす相談体制であれば、新たに整備することなく、雇用環境整備措置の要件を満たします。なお、男女問わず対象とする必要があります。

・相談体制の窓口の設置や相談対応者を置き、これを周知すること

・このことは窓口を形式的に設けるだけでは足らず、実質的な対応が可能な窓口が設けられていることをいうものであり、労働者に対する窓口の周知等により、労働者が利用しやすい体制を整備しておくことが必要

 

★雇用環境の整備の措置は、対象となる労働者が想定されない場合も、すべての事業主が対応する必要があります。育児休業の申出対象となる子には、養子縁組等も含まれていることから、特定の年齢に限らず幅広い年齢の労働者が育児休業申出を行う可能性があります。

 

Q3:今回の改正で、引き続き雇用された期間が1年未満の有期雇用労働者について、法律上対象外から労使協定除外の対象に変更になります。

すでに締結している労使協定において、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者について有期雇用・無期雇用を問わない形で除外していた場合、労使協定を締結し直さなくとも、改正法の施行後は有期雇用・無期雇用問わず当該労使協定により除外されると解して良いですか。

 

A3:改正法の施行後において、有期雇用労働者も含めて、引き続き雇用されていた期間が1年未満の労働者からの申出を拒む場合は、そのことについて、改めて労使協定を締結する必要があります。

 

★通常の育児休業と、出生時育児休業(産後パパ育休)、それぞれについて入社1年未満の労働者を拒む場合は規定が必要になります。

 

Q4:法改正後は、子の出生後8週間以内は4週間までしか休業を取得できなくなるのですか?

 

A4:違います。改正後は、現行の育児休業に加えて、出生時育児休業(産後パパ育休)が創設されます。子の出生後8週間以内の期間は、労働者の選択により、新制度と通常の育児休業のいずれも取得可能です。

 

 

Q5:2022年10月1日から出生時育児休業を取得したい場合、2週間前に申し出ればよいのですか。

 

A5:出生時育児休業制度(産後パパ育休)に係る規定は2022年10月1日から施行のため、法令上、労働者は10月1日より前に、事業主に対して出生時育児休業の申出をすることはできません。(※)

なお、事業主が、法を上回る措置として、2022年10月1日以降の日から開始する出生時育児休業の申出を10月1日より前に受け、同年10月1日以降、出生時育児業を取得させることは差し支えません。

 

(※)労働者は事業主に対して、2022年10月1日に、その当日を出生時育児休業の開始予定日とする出生時育児休業申出をすることは可能ですが、事業主は、申出があった日の翌日から起算して2週間を経過する日まで(10月1日~10月15日)のいずれかの日を出生時育児休業の開始予定日として指定することができますので、労働者は必ずしも10月1日から出生時育児休業を取得できるとは限りません。

 

その他、厚生労働省のQ&Aは以下から確認できます。

https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000860549.pdf

 

●改正後の運用は、なかなか複雑な面も多くあります。今後も引き続き、注意点についてお伝えしていきます。

 

人事労務コンサルタント/社会保険労務士

佐佐木 由美子

 

※ この投稿内容は、発行日時点において明らかとなっている法律内容に基づき記載しています