コラム

2022年4月から改正・育児介護休業法のポイント

2021.06.21

男性の育休取得が課題となっていますが、さらなる育休取得促進等を図るため、2021年6月9日に改正・育児介護休業法が公布されました。

そこで今回は、2022年4月1日から段階的に施行される改正の概要を確認しましょう。

 

1.男性の育児休業取得促進のための子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設

(施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日)

現行の育休制度は、原則1か月前までに申出が必要であり、原則子が1歳まで取得可能です。

例えば、子が1歳になるまで育休を申し出たものの、保育所に入所できないといった一定の理由から延長することは可能で、最長で2歳まで取得することができます。

そして、原則として分割取得は不可、就業についても、一時的・臨時的に働く場合(労使の話し合いにより、子の養育をする必要がない期間に限る)を除き、原則的に不可となっています。

新制度では、男性の育児休業取得促進のため、子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能である柔軟な育児休業の枠組みが設けられました。

また、申出期限は原則休業の2週間前まで(労使協定を定めている場合、1か月前までとすることが可能)、分割して2回取得が可能となります。ただし、新たに設けられた子の出生後8週間以内に4週間までの休業を除きます。

さらに、労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業可能となります。具体的には、労働者が就業条件の申出をして、事業主が申出の範囲内で候補日・時間を提示、労働者が同意した範囲での就業となります。

就業可能日等の上限(休業期間中の労働日・所定労働時間の半分)は、厚生労働省令で定める予定となっています。

 

2.育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け

(施行日:2022年4月1日)

(1)育児休業を取得しやすい雇用環境の整備(研修、相談窓口設置等)

複数の選択肢からいずれかを選択して措置することとなる予定です。

(2)妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

面談での制度説明、書面による制度の情報提供等の複数の選択肢からいずれかを選択して措置することとなる予定です。

 

※ 休業取得意向の確認は、事業主が労働者に対し、育児休業の取得を控えさせるような形での実施を認めないことが定められる予定。

 

3.育児休業の分割取得が可能

(施行日:公布後1年6か月以内の政令で定める日)

現行では、育児休業について原則分割取得することはできません。また、1歳以降に育休を延長する場合、育休開始日は1歳、1歳半の時点に限定されています。

改正後は、

・分割して2回まで取得可能(新たに設けられた子の出生後8週間以内に4週間までの休業を除く。)

・1歳以降に延長する場合について、育休開始日を柔軟化

となり、さらに取得がしやすくなります。

 

4.有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和

(施行日:2022年4月1日)

現行では、育児休業について、有期雇用労働者は、(1)引き続き雇用された期間が1年以上であること、(2)子どもが1歳6か月に達するまでの間に契約が満了することが明らかでないこと、という2つ要件を満たしたときに取得できます。

改正後は、(1)の要件が削除され、(2)の要件のみとなりました。

 

これにより、無期雇用労働者と同様の取り扱いとなります。ただし、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者は労使協定の締結により除外可となるため、労使協定を締結している会社においては、実質的な取扱いに変更はありません。

 

5.育児休業の取得の状況の公表の義務付け

(施行日:2023年4月1日)

従業員数1,000人超の企業に、育児休業等の取得状況について公表が義務化されます。

公表内容は、男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」と省令で定められる予定となっています。

 

雇用保険法の改正にも注意

 

雇用保険法について、上記1及び3の改正を踏まえ、育児休業給付についても所要の規定を整備し、出産日のタイミングによって受給要件を満たさなくなるケースを解消するため、被保険者期間の計算の起算点に関する特例を設けることとされています。

詳細はまだ定められていない状況ではありますが、現段階で自社に必要とされる対応を把握しておく必要があります。

 

法定どおりの規定としている場合、育児・介護休業規程等の改定が必要となりますのでご留意ください。

 

人事労務コンサルタント/社会保険労務士

佐佐木 由美子

 

※ この投稿内容は、発行日時点において明らかとなっている法律内容に基づき記載しています