コラム

新型コロナに伴う休業で報酬が下がったときの特例改定

2020.06.26

●こんにちは、グレース・パートナーズの佐佐木由美子です。

年に1回、社会保険料を見直す算定基礎届の提出が7月1日から始まりますが、それに先駆けて新型コロナウイルスによる標準報酬月額の特例改定が新設されました。

新型コロナウイルス感染症の影響で休業を余儀なくされ給与が下がった…という方は多いと思います。

 

●社会保険(健康保険と厚生年金保険)の保険料は、被保険者の給与に基づき算定される標準報酬月額により決定します。

最初は入社時の給与に基づき決定され、以降は毎年1回の定時決定(算定基礎届)に基づき決定されます。

ただし、昇給・降給などの固定的賃金の変動があった場合は、変動した月から3か月間に支給された給与の平均が大幅に(具体的には標準報酬月額が2等級以上)変動する場合に、変動した月から4か月目の標準報酬月額から変更される仕組みになっています。これを「随時改定」と言います。

 

今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、休業を余儀なくされて給与が下がった方は少なくないと思います。

休業により給与が著しく下がった被保険者については、下記の要件に該当する場合において、通常の随時改定ではなく、給与が下がった翌月から変更できる特例が設けられました。

 

対象となる方は、以下のすべてに該当する場合となります。

1.新型コロナウイルス感染症の影響による休業(時間単位を含む)があったことにより、2020年4月から7月までの間に、給与が著しく低下した月が生じていること

2.著しく給与が低下した月に支払われた給与の総額(1か月分)が、すでに設定されている標準報酬月額に比べて2等級以上下がっていること

※固定的賃金(基本給、日給、単価等)の変動がない場合も対象

3.この特例措置による改定内容に被保険者本人が書面により同意していること

※被保険者本人の十分な理解に基づく事前の同意が必要
(改定後の標準報酬月額に基づき、傷病手当金、出産手当金及び年金の額が算出されることへの同意を含む)

 

●2021年1月末日までに届出があったものが対象となります。それまでの間は、遡及して申請することができますが、改定しようとする場合は、できるだけ速やかに提出することが求められます。

申請手続きについては、月額変更届(特例改定用)に「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う標準報酬月額の改定に係る申立書」を添付し、管轄の年金事務所に申請することとなります。

 

●特例改定後に、固定的賃金が変動し、随時改定の対象となる場合は、随時改定の届出を行う必要があります。

また、7月又は8月に特例改定が行われた方には、定時決定が行われないため、今回の特例に限り、休業回復した月から継続した3か月間の平均報酬が2等級以上上昇した場合には、固定的賃金の変動の有無に関わりなく、必ず随時改定の届出を行う必要があります。

コロナによる休業で給与が下がった会社では、担当者の方は大変になりますが、ぜひこの特例を活用することをお勧めします。

 

 

人事労務コンサルタント/社会保険労務士
佐佐木 由美子

 

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